諸々の法は影と像の如し
第十章
「あれっ」
その日も森を巡回していた章親が、一点で立ち止まった。
「また穢れが……」
浄化しようとして、ふと手を止める。
何故ここ数日、一点だけ強い穢れがついているのだろう。
まるで故意に付けたようなのだ。
章親は、ぐるりと周りを見回した。
しばし空を見ていた章親が、はっとしたように足元の穢れを見る。
「これ、宮様の足取りを追ってるんじゃないの?」
森の入り口から、日を追うごとに徐々に社に近付いている。
偶然だろうか。
毛玉が、ぴょんと肩から飛び降り、きょろきょろと辺りを探った。
「そう言われてみれば、そんな感じですねぇ」
昨日の穢れの場所を見、これまた足元に視線を落とす。
穢れの範囲も、ほぼ同じだ。
毛玉は足元の新たな穢れに顔を近付けて、くんくんと鼻を動かした。
「んむむむ……。これ、もしかして血じゃないですかね」
「えええっ!!」
すさささーっと章親が飛び退った。
が、毛玉は気にする風もなく、穢れの辺りの地面をがさがさと掘り返すように探っている。
その日も森を巡回していた章親が、一点で立ち止まった。
「また穢れが……」
浄化しようとして、ふと手を止める。
何故ここ数日、一点だけ強い穢れがついているのだろう。
まるで故意に付けたようなのだ。
章親は、ぐるりと周りを見回した。
しばし空を見ていた章親が、はっとしたように足元の穢れを見る。
「これ、宮様の足取りを追ってるんじゃないの?」
森の入り口から、日を追うごとに徐々に社に近付いている。
偶然だろうか。
毛玉が、ぴょんと肩から飛び降り、きょろきょろと辺りを探った。
「そう言われてみれば、そんな感じですねぇ」
昨日の穢れの場所を見、これまた足元に視線を落とす。
穢れの範囲も、ほぼ同じだ。
毛玉は足元の新たな穢れに顔を近付けて、くんくんと鼻を動かした。
「んむむむ……。これ、もしかして血じゃないですかね」
「えええっ!!」
すさささーっと章親が飛び退った。
が、毛玉は気にする風もなく、穢れの辺りの地面をがさがさと掘り返すように探っている。