諸々の法は影と像の如し
「他の御魂とは、やっぱり違うな。あそこまで自己主張の強い御魂もそうない。龍神って、そういうもんなのかな」
「姿も消えないしね。神様だからかなぁ」
「今回、魔﨡の本身を見られるかもな」
興味深そうに言う守道とは違い、章親は、う、と言葉に詰まった。
見たいような、見たくないような。
「ま、まぁそうならないことを祈るよ」
魔﨡が本身を曝すとしたら、変事があったときだ。
陰陽寮に関わることだし、それなら何も起こらないに越したことはない。
「遅くなったな。泊まっていくか?」
守道に言われ、章親は、ふと顔を上げた。
元々来るのが遅かったので、すでに日は沈んでいる。
「う~ん……。でも明日は忙しいし……」
守道の屋敷と章親の屋敷は、そう離れているわけでもない。
今から帰るにしても、そう時間はかからないが。
だが魔﨡がいない夜道を歩くのは怖い。
何せ巷では人食い鬼が出る、という噂なのだ。
守道は信じていないようだが、疑惑がすっかり晴れたわけではない。
どうしようかな、と考えていた章親が、何か感じたように顔を上げた。
「……守道。この屋敷、呪を施してるよね?」
「ん? どうした?」
守道が腰を浮かす。
それに反応してか、燭台の灯が、ゆらりと揺れた。
「姿も消えないしね。神様だからかなぁ」
「今回、魔﨡の本身を見られるかもな」
興味深そうに言う守道とは違い、章親は、う、と言葉に詰まった。
見たいような、見たくないような。
「ま、まぁそうならないことを祈るよ」
魔﨡が本身を曝すとしたら、変事があったときだ。
陰陽寮に関わることだし、それなら何も起こらないに越したことはない。
「遅くなったな。泊まっていくか?」
守道に言われ、章親は、ふと顔を上げた。
元々来るのが遅かったので、すでに日は沈んでいる。
「う~ん……。でも明日は忙しいし……」
守道の屋敷と章親の屋敷は、そう離れているわけでもない。
今から帰るにしても、そう時間はかからないが。
だが魔﨡がいない夜道を歩くのは怖い。
何せ巷では人食い鬼が出る、という噂なのだ。
守道は信じていないようだが、疑惑がすっかり晴れたわけではない。
どうしようかな、と考えていた章親が、何か感じたように顔を上げた。
「……守道。この屋敷、呪を施してるよね?」
「ん? どうした?」
守道が腰を浮かす。
それに反応してか、燭台の灯が、ゆらりと揺れた。