諸々の法は影と像の如し
「これ、持って帰ろう」
「ええっ!」
「これ以上の戦利品があるか? これを分析すれば、奴が何なのかもわかる」
「そそ、そんな危険なことっ」
思いっきり引く章親に、守道は少し厳しい目を向ける。
「危険でも、あれを何とかしないと宮様だって落ち着かない。都中がそうなんだ。そういう怪異を鎮めるのが、俺たちの仕事だろう」
う、と章親が口ごもる。
正論である。
だが、こんなものを持ちたくはない。
それは守道も同意見のようだ。
どうしたもんかな、と呟いて、鬼の手を見ている。
「浄化してしまったら意味ないような気もするしな……。だからといって、不用意に触れるのも避けたい」
「うん。触るのはやめたほうがいいよ。凄い邪気」
二人が遠巻きに悩んでいると、いきなり魔﨡が、ずいっと身を寄せた。
「何じゃ、それを持ち帰りたいのか」
言うなり錫杖を、ぶすっと鬼の手に突き刺す。
ひぃ、と章親の喉が鳴った。
「さ、これで良かろう。もう用はないのであろ? 帰ろうぞ」
先に鬼の手を突き刺した錫杖を肩に担ぎ、魔﨡がくるりと踵を返す。
このまま屋敷まで帰るようだ。
「……け、けど一番いい方法かもな」
守道も、若干引いたように眉間を押さえていたが、納得したように立ち上がった。
そこでようやく、簀子に控える惟道に目をやる。
「ええっ!」
「これ以上の戦利品があるか? これを分析すれば、奴が何なのかもわかる」
「そそ、そんな危険なことっ」
思いっきり引く章親に、守道は少し厳しい目を向ける。
「危険でも、あれを何とかしないと宮様だって落ち着かない。都中がそうなんだ。そういう怪異を鎮めるのが、俺たちの仕事だろう」
う、と章親が口ごもる。
正論である。
だが、こんなものを持ちたくはない。
それは守道も同意見のようだ。
どうしたもんかな、と呟いて、鬼の手を見ている。
「浄化してしまったら意味ないような気もするしな……。だからといって、不用意に触れるのも避けたい」
「うん。触るのはやめたほうがいいよ。凄い邪気」
二人が遠巻きに悩んでいると、いきなり魔﨡が、ずいっと身を寄せた。
「何じゃ、それを持ち帰りたいのか」
言うなり錫杖を、ぶすっと鬼の手に突き刺す。
ひぃ、と章親の喉が鳴った。
「さ、これで良かろう。もう用はないのであろ? 帰ろうぞ」
先に鬼の手を突き刺した錫杖を肩に担ぎ、魔﨡がくるりと踵を返す。
このまま屋敷まで帰るようだ。
「……け、けど一番いい方法かもな」
守道も、若干引いたように眉間を押さえていたが、納得したように立ち上がった。
そこでようやく、簀子に控える惟道に目をやる。