諸々の法は影と像の如し
 さて今回、いつものように実在の人物を使っております。
 晴明と道満の術合戦の後のごたごたに、何故『孫』の章親と『子』の道仙が絡むのかは、作中にもあったけど、ほんとに晴明と道満は年齢差があったから。
 道満のほうが、かなり若かったようですよ。

 蘆屋 道満は大抵悪者として書かれてますが、実際はそうでもなかったらしい。
 いや昔のことだし、ほんとのところはわからないですけどね。
 そうじゃないって文献もあり。

 ここでも道仙はともかく、道満(と兄)は良い人です。
 ちなみに道仙の兄の名が出て来ないのは、わからなかったから。
 惟道は創作です。

 章親は今までに書いたことのないキャラだと思います。
 情けない草食系。
 あ、だから筆の進みが悪かったのだろうか。
 はたして章親は全編通して成長したのか?

 ちなみにタイトル『諸々の法は影と像の如し』の意味はですね……
 多くのものは影や映像のようなもので実体はない、みたいな感じの意味ですね。
 『六根清浄大祓』という祝詞の中の一節です。

 とにもかくにも、ようやく終われて一安心。
 平安モノは思いっきり京都だから地理的に書きやすいんだけど、世情とか官職とかが難しい。
 逆に江戸は地理がさっぱりわからない。
 まぁ時代が江戸ってだけで、舞台は京都にするんだけどね。

 あらゆる距離感って左近は大事なんですよ。
 位置関係がわからないと、左近は書けない。

 次の歴史モノは、多分舞台は京都の江戸剣客モノかな。
 次こそばんばん斬り倒したいけど、もしかするとちょっと異色なものを挟むかも。

 それでは次の作品でもお会いできることを祈って(^人^)


2016/09/19 藤堂 左近
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