諸々の法は影と像の如し
「ふむ。確かに物の怪が封じられておったようだの。だがとりあえずは退治した。ほれ章親、浄化じゃ、浄化」
何かうきうきと、御魂が言う。
何かもわからないまま箱を叩き壊すとは、と若干引き気味ながらも、確かに浄化はしたほうがいいかも、と、章親は手早く木箱の欠片を拾い集めて周りに魔法陣を書き、印を結びつつ呪を唱えた。
「やっぱり一度、毛玉に会ってみたほうがいいかもな。御魂様はどう思う? ……御魂様?」
呪を終えて呟き、振り返った章親は、ちょっと訝しげな顔をした。
ぼぅっとした感じの御魂をじっと見、顔の前で手を振ってみる。
「……っな、何じゃ章親っ」
はた、と我に返ったように、御魂が一歩飛びのく。
「いや何か、ぼーっとしてるから。どうしたの、お疲れ?」
「そそそ、そういうわけではないっ」
「ならいいけど。で、御魂様はこの箱、どう思う?」
何か焦っている御魂を不思議そうに見ながら、章親は、ちょい、と足元を指した。
浄化された木屑が、小さな山を作っている。
「どう、とは?」
小首を傾げて、御魂が言う。
章親は糺の森で毛玉に感じたことなどを詳しく話した。
「ふーむ? あんなに章親を食い殺そうとしておった物の怪に、悪い気を感じなかったと言うか」
何かうきうきと、御魂が言う。
何かもわからないまま箱を叩き壊すとは、と若干引き気味ながらも、確かに浄化はしたほうがいいかも、と、章親は手早く木箱の欠片を拾い集めて周りに魔法陣を書き、印を結びつつ呪を唱えた。
「やっぱり一度、毛玉に会ってみたほうがいいかもな。御魂様はどう思う? ……御魂様?」
呪を終えて呟き、振り返った章親は、ちょっと訝しげな顔をした。
ぼぅっとした感じの御魂をじっと見、顔の前で手を振ってみる。
「……っな、何じゃ章親っ」
はた、と我に返ったように、御魂が一歩飛びのく。
「いや何か、ぼーっとしてるから。どうしたの、お疲れ?」
「そそそ、そういうわけではないっ」
「ならいいけど。で、御魂様はこの箱、どう思う?」
何か焦っている御魂を不思議そうに見ながら、章親は、ちょい、と足元を指した。
浄化された木屑が、小さな山を作っている。
「どう、とは?」
小首を傾げて、御魂が言う。
章親は糺の森で毛玉に感じたことなどを詳しく話した。
「ふーむ? あんなに章親を食い殺そうとしておった物の怪に、悪い気を感じなかったと言うか」