幸せ
クラス替え
知らなかった。
君に出会うまで。
私は、君に恋して。
たくさん泣いて。
でも、幸せだった。
「美梨っ!」
「わっ…千佳!」
「クラス表みた?」
私は白崎 美梨。今日から、ここ、壱田中学の3年生になる。
「なんとなんと!私たち、同じクラスだよ!」
「っ…きゃぁぁっ!嘘、本当に⁉︎」
「あははっ、ほんとほんと!」
この黒髪ロングの美人さんは、私の幼馴染の高畑 千佳。同じ学年に彼氏もいて、成績優秀。私の自慢の友達。
「また一年よろしくね!」
「もちろんっ」
私と千佳は、一年のころからずっと同じクラス。運命なのかというほど、ずっと一緒。
「もしかしたら私たち運命の相手だね!」
「って、なにのんきなこといってんの!そんなんだと、本当に彼氏出来ないよ!」
「うっ…」
…そう。何を隠そう、私は今までたったの一回も、恋をしたことがないのだ。
「だって、なーんかよくわかんないんだもん…」
私からすれば、千佳は恋愛の師匠。
私はいつも、人の話を聞く専門で、別にそれが苦ではない。
千佳やみんなの恋を応援するだけで楽しいし、それで満足だった。
でも。こんな私でも。
「美梨、教室行こ」
「そーだね!」
恋がしてみたい。
ードンッ…
「っ…」
「は⁉︎美梨っ…!」
一瞬、なにが起こったのかわからなかった。急に視界が暗くなったと思った次には、私は尻もちをついていた。
「ごめんっ!大丈夫⁉︎」
「…っ大丈夫!」
どうやら、私は教室の入り口で、同じクラスの男子に思いっきりぶつかられたらしい。
「ごめん…本当ごめん!怪我してない?」
「大丈夫!私こそごめんね!」
そのまま教室に入ると、何故か千佳が口をあんぐり。
「…もしもーし、千佳?どったの?」
「いまっ…今のっ…!」
「? 今、ぶつかった人?」
「そうっ!今、美梨がぶつかった人!サッカー部の!」
…?
千佳のテンションが高すぎて、私は話について行けてない。
「は⁉︎美梨、しらないの?」
「だからなにが、」
「久我山洸くん!サッカー部のエース!」
…は…はい?
「…これで、久我山くんのこと少しはわかった?」
「い…一応…?」
千佳いわく。
久我山くんは、サッカー部のエースで運動神経抜群、成績優秀。まさに王子様!
…らしい。
「王子様って…まあ確かにかっこいいけど…」
「なんで久我山くんのこと知らないのか逆に意味わかんない!」
いやいやいや、千佳さん。
それは千佳だけだよ?
「きゃあっ!久我山くんっ!」
「「せーのっ…久我山せんぱーい‼︎」」
…千佳だけではなかったらしい。
久我山くんが廊下に出た途端に、一気に騒がしくなった。
「そんなにもててるの?久我山くん」
「めちゃくちゃもててるよ!」
んー…よくわからん。
「おらー!席つけー!」
担任らしき先生が教室に入ってきて、みんなが自分の席に座った。
「俺は、今日から1年間お前らの担任になった、湧谷 航介だ!24歳!」
「…なあ」
「…っ」
「シカト?」
「…なんですか」
先生が話をしているのをよそに、隣の席のやつが話しかけてくる。
「名前なんてーの?」
「……白崎 美梨」
「ふーん」
ふーんて…
口調からしてありえないけど…
いま私の横にいるのはあの、『王子様』と呼ばれている、久我山 洸だ。
「あの…久我山くんって、そんなキャラなの?」
「知らねー…女子が勝手にわーきゃー言ってるだけだろ?」
いやいやいや!
あなたね、みんなの前じゃニコニコしてるじゃないですか。
「ああ……あの方が女子にも先生にもウケがいいから」
「…はい?」
私は、幻聴が聞こえて幻覚をみてるのだろうか。
君に出会うまで。
私は、君に恋して。
たくさん泣いて。
でも、幸せだった。
「美梨っ!」
「わっ…千佳!」
「クラス表みた?」
私は白崎 美梨。今日から、ここ、壱田中学の3年生になる。
「なんとなんと!私たち、同じクラスだよ!」
「っ…きゃぁぁっ!嘘、本当に⁉︎」
「あははっ、ほんとほんと!」
この黒髪ロングの美人さんは、私の幼馴染の高畑 千佳。同じ学年に彼氏もいて、成績優秀。私の自慢の友達。
「また一年よろしくね!」
「もちろんっ」
私と千佳は、一年のころからずっと同じクラス。運命なのかというほど、ずっと一緒。
「もしかしたら私たち運命の相手だね!」
「って、なにのんきなこといってんの!そんなんだと、本当に彼氏出来ないよ!」
「うっ…」
…そう。何を隠そう、私は今までたったの一回も、恋をしたことがないのだ。
「だって、なーんかよくわかんないんだもん…」
私からすれば、千佳は恋愛の師匠。
私はいつも、人の話を聞く専門で、別にそれが苦ではない。
千佳やみんなの恋を応援するだけで楽しいし、それで満足だった。
でも。こんな私でも。
「美梨、教室行こ」
「そーだね!」
恋がしてみたい。
ードンッ…
「っ…」
「は⁉︎美梨っ…!」
一瞬、なにが起こったのかわからなかった。急に視界が暗くなったと思った次には、私は尻もちをついていた。
「ごめんっ!大丈夫⁉︎」
「…っ大丈夫!」
どうやら、私は教室の入り口で、同じクラスの男子に思いっきりぶつかられたらしい。
「ごめん…本当ごめん!怪我してない?」
「大丈夫!私こそごめんね!」
そのまま教室に入ると、何故か千佳が口をあんぐり。
「…もしもーし、千佳?どったの?」
「いまっ…今のっ…!」
「? 今、ぶつかった人?」
「そうっ!今、美梨がぶつかった人!サッカー部の!」
…?
千佳のテンションが高すぎて、私は話について行けてない。
「は⁉︎美梨、しらないの?」
「だからなにが、」
「久我山洸くん!サッカー部のエース!」
…は…はい?
「…これで、久我山くんのこと少しはわかった?」
「い…一応…?」
千佳いわく。
久我山くんは、サッカー部のエースで運動神経抜群、成績優秀。まさに王子様!
…らしい。
「王子様って…まあ確かにかっこいいけど…」
「なんで久我山くんのこと知らないのか逆に意味わかんない!」
いやいやいや、千佳さん。
それは千佳だけだよ?
「きゃあっ!久我山くんっ!」
「「せーのっ…久我山せんぱーい‼︎」」
…千佳だけではなかったらしい。
久我山くんが廊下に出た途端に、一気に騒がしくなった。
「そんなにもててるの?久我山くん」
「めちゃくちゃもててるよ!」
んー…よくわからん。
「おらー!席つけー!」
担任らしき先生が教室に入ってきて、みんなが自分の席に座った。
「俺は、今日から1年間お前らの担任になった、湧谷 航介だ!24歳!」
「…なあ」
「…っ」
「シカト?」
「…なんですか」
先生が話をしているのをよそに、隣の席のやつが話しかけてくる。
「名前なんてーの?」
「……白崎 美梨」
「ふーん」
ふーんて…
口調からしてありえないけど…
いま私の横にいるのはあの、『王子様』と呼ばれている、久我山 洸だ。
「あの…久我山くんって、そんなキャラなの?」
「知らねー…女子が勝手にわーきゃー言ってるだけだろ?」
いやいやいや!
あなたね、みんなの前じゃニコニコしてるじゃないですか。
「ああ……あの方が女子にも先生にもウケがいいから」
「…はい?」
私は、幻聴が聞こえて幻覚をみてるのだろうか。
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