アイドルとわたし
「なんもないです…」
「やった!
これで今日も一緒にいられるね」
にこにこしながら嬉しそうに恥ずかしいことを言う智哉くん。
なんでそんなこと言うの?
あたし本当に期待しちゃうよ?
智哉くんもあたしと同じ気持ちなのかなって。
「あたしも、嬉しいです。
智哉くんと一緒にいられること」
桃がよく言う。
好きなら女の子でも攻めることも必要だって。
でも、智哉くんはくるっと後ろを向いて黙ってるし。
この作戦は失敗?
桃。
やっぱりあたしは恋愛がヘタクソらしい。
「…智哉くん」
恐る恐る声をかける。
一日一緒に過ごしたから少し忘れてた。
彼はスーパーアイドルで
あたしは一般人だってこと。