アイドルとわたし
智哉くんとの距離を感じながらも学校に行く支度をして家をでた。
「真央おはよ」
「ももぉぉぉ」
駅から一緒に行っている桃を見つけた瞬間、あたしの中のもやもやが爆発する。
「こうなってるのは予想済み(笑)
思ったよりひどいけど(笑)」
「だって、ラブシーンだよ!?
めっちゃキスシーン多いんだよ!?」
「覚悟はしてたはずだよ。
それに気持ちこもってないならいいじゃない」
呆れたようにいう桃だけど。
「じゃあ桃は気持ちがないキスをしてる優くんを黙って見られる?」
「…」
ほら。
いくら気持ちがないって分かってても悔しいんだよ。
好きな人が他の子キスしてるなんて。
「でも智哉くんはそれが仕事なんだから。
真央はそれを理解するしかないの」