アイドルとわたし





「だってファンなんでしょ?




だからリーダーに近寄ったの?」





瞬くんからの冷たい目。




うん、でも覚悟はしていたよ。





誰もがそう思っていたと思う。





でも、違う。あたしはそんな気持ちで付き合った訳じゃない。





言うのが恥ずかしいとか




そんなこと言っている場合じゃない。





「瞬、やめ「リーダーは黙ってて」






さっきまでワイワイしていた他のメンバーも



一斉に真剣な表情になってあたしを見る。





智哉くん。




智哉くんは幸せだね。




こんなに素敵なメンバーに出会えて。





「あたしは確かに、SKYのみなさんの大ファンです。


ライブにも何回か参戦させていただいたし、番協にも行かせていただいた。




中でも智哉くんのファンで恥ずかしながらずーっと彼に本気で恋をしていました。




芸能人として、人として。」






みんなの視線を感じる。少し怖い。





でも隣をちらっと見ると




目が合った瞬間、まるで“大丈夫だ”と言ってくれているかのような穏やかな笑顔で




智哉くんが頷いてくれた。





< 163 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop