アイドルとわたし
「だってファンなんでしょ?
だからリーダーに近寄ったの?」
瞬くんからの冷たい目。
うん、でも覚悟はしていたよ。
誰もがそう思っていたと思う。
でも、違う。あたしはそんな気持ちで付き合った訳じゃない。
言うのが恥ずかしいとか
そんなこと言っている場合じゃない。
「瞬、やめ「リーダーは黙ってて」
さっきまでワイワイしていた他のメンバーも
一斉に真剣な表情になってあたしを見る。
智哉くん。
智哉くんは幸せだね。
こんなに素敵なメンバーに出会えて。
「あたしは確かに、SKYのみなさんの大ファンです。
ライブにも何回か参戦させていただいたし、番協にも行かせていただいた。
中でも智哉くんのファンで恥ずかしながらずーっと彼に本気で恋をしていました。
芸能人として、人として。」
みんなの視線を感じる。少し怖い。
でも隣をちらっと見ると
目が合った瞬間、まるで“大丈夫だ”と言ってくれているかのような穏やかな笑顔で
智哉くんが頷いてくれた。