アイドルとわたし
「ただいま…」
「あら、彼氏は?」
家についたらもうお母さんが帰ってきていた。
「まだお仕事」
「もう就職してるのね。
何の仕事してるの?」
この質問にドキッとする。
なんて、答えたらいいのか。
「それは本人から聞いて」
「それくらいいいじゃない~」
タイミング良く、智哉くんからラインが届いた。
え!?
「ついたって」
「あら、速いのね!
もう上げちゃっていいわよ!お母さんはお茶の準備してるわ」
「う、うん」
ついに…
お母さんに智哉くんを。
【鍵開けたから入ってきて】
【了解】
智哉くんには家の場所を教えてあった。
「お邪魔します」
「いらっしゃい」
伊達メガネと帽子。
「こんな変装でよくバレないね」
「ふふ(笑)俺いつも思うんだけど、マスクして帽子してるほうが怪しくない?(笑)」
「確かに…(笑)」
「あれ、お母様は?」
「お茶の準備してる、
どうぞ、あがって」
「ん。緊張してきた」