アイドルとわたし

雲よりも宇宙よりも神様よりも






カフェで中原くんはSKYについて熱く語る。




最初はあたしとの接点というぐらいで調べていたSKYだったけれど、調べていくうちにどんどんハマってしまったらしい。





「俺はね、爽くんが好きなの!



ただのイケメンだよなあ、あの人!」





爽くんについて話す中原くんはまるで恋する乙女。




なんだか可笑しくて笑ってしまう。





「真央ちゃんは智哉くんかー。




あれはレベル高いよなー。まじで男でも尊敬する。歌もダンスもうますぎるし、性格もいいしたまんねえ!」





中原くんの口からでた智哉くんの名前に肩がビクッと反応した。




そんなあたしを見て中原くんがさすがに不審がった。





「もしかして真央ちゃんの忘れられない人って…」





今のあたしを見れば、誰でも気づくと思う。




あんなにSKYばっかりで智哉くんばっかりだったあたしがこんな反応をするなんておかしすぎる話だ。





「そんなはずないじゃん!



だいたい、こんな一般人が大スターと出会えるわけ…」






ダメだ。




いくら月日がたっても思い出すだけで涙がでてくる。






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