アイドルとわたし
side:智哉
この歌は歌というよりも
真央への手紙だった。
「曲を作りなさい」
突然瑞季が俺に紙とペンを渡してきてそれだけ告げた。
曲を、作る?
今まで俺は曲を作ったことがない。
歌詞なんて思い浮かぶはずもない。
ただ、書き出したら真央への言葉がぽんぽんでてきて
瑞季に渡された紙には真央への手紙が書かれていた。
君の所には真央って名前が入っていて
僕の所には俺って書いてあったけど
瑞季がこれじゃあ世に出せねえってそこだけ訂正してくれた。
いや、その前に。
「この曲出すの!?」
「うん、アルバムだよ。
今年のリーダーのソロ曲はこれ」
俺は真央へのラブレターを世の中の人たちに聴かせるのか。