アイドルとわたし
「そこは、彼女の周りにも協力をお願いするつもりです。
彼女には信頼できる友達、家族がいますから」
「そうか…。
智哉、これがお前にとって、SKYにとって、どれだけ大きな賭けか分かっているか?
どれだけメンバーが背中を押してくれていても、今は応援してくれているファンがいても、落ちるのは一瞬だぞ」
分かってる。分かってるよ。
俺のこの行動でSKYに迷惑をかけることくらい。
「それでもいいくらい、守りたいものができたんです」
「彼女は俺の運命の人ですから」
恋愛。
それはアイドルにとっては邪道で。
決してしてはいけないものだと思っていた。
でも俺は出会ってしまったんだ。
必要不可欠な存在に。
こうして事務所からの承諾も得て、アルバムの発表前のプレミアライブに挑んだ。
まさかそこに真央がいるとは思わなかったけどね。