アイドルとわたし
でも俺が見たのは男といる真央の姿。
半年の月日の中で、真央の心は変わってしまったんだね。
そりゃそうだ。俺は最低なことをしたから。
でも、目が合った瞬間、君は俺を捉えて離さなかった。
少しは期待してもいいのかな。
瑞季に見過ぎだと怒られて我に返った。
「真央ちゃんいるね」
前半戦が終わってしばらく舞台裏で準備をしているときに、瞬が言った。
「うん、いた。」
半年ぶりに見る真央は美しさが増して、でも彼女独特の儚さも増していた気がした。
「リーダー、頑張れ」
「本人目の前にしたらもっと感情こめて歌えそうだね」
「うん。頑張るよ」
次は俺のソロからのスタート。
目の前には真央がいる。
他の男といる、あいつ。
気づいてくれたらそれでいいから。
この歌の思いが、真央に届きますように。