アイドルとわたし
ポツポツと真央の言葉で報道陣に、SKYのファンに届けてくれる。
「出会った時から優しくて、真っ直ぐで、メンバーを大切にしていて。テレビやライブで見ていたままの彼でした。
彼の言葉には説得力があるし
いつでも私に勇気をくれる。
ファンだから。これ以上近づいたらいけない。
そう思ってたのに、その気持ちを抑えることができなかったのは私です。
智哉くんはいつだってメンバーやファンのことを1番に考えてた。
リーダーとして、アイドルとして。
だから、責めるなら私を責めて欲しい。
みんなの大好きな智哉くんを奪ったのは間違いなく私だから」
「真央、それは違う」
違う。違うよ。
俺はそんなことを言わせたくてこの会見を開いた訳じゃない。
でも、真央の気持ちが嬉しくて
痛いくらい伝わって
「ほんと、いい女すぎるから…」
自然と、涙でてきちゃったよ。
テレビ回ってんのにな。
「智哉くん」
「あ、ごめん。なに?」
ツンツン俺をつついて、ヒソヒソ声で話しかけてくる。
「2人でちゃんと頭を下げよう。
ファンのみんなにも、報道陣の方々にもしっかり納得してもらえるように。
中には納得してもらえない人だっている。
でも、アイドルとして。SKYのリーダーとして。
そしてあたしは、そんな素敵な人の彼女として。
ちゃんと、応援して欲しいって、頭下げよう」