アイドルとわたし
智哉くんはどんな返事をするのかな。
「桃ごめんね。お待たせ」
「大丈夫だよ」
スマホをいじる顔をパッとあげてほんのり笑顔を浮かべる。
「なんか、どんどん真央が大きくなってく」
どこか寂しさの混じった桃の顔になんだかあたしも寂しくなる。
「そんな太ったかな…」
「違うよバカ(笑)
真央がどんどん、遠い存在になってくなってこと!
元から可愛いしモテるしスカウトされまくってる姿を見てきたけど
もう真央にはファンがいて、雑誌にでて。
いくら一般人を名乗っていても芸能人と同じなんだもん。
彼氏は智哉くんだしさ」
桃はいつも
あたしのために悲しい顔をする。
智哉くんのことを好きだったとき。
中原くんに襲われたとき。
別れたとき。
そして、今。
「確かに環境は変わったけれど
あたしはあたしだし、何も変わらないよ。
桃はあたしの1番の理解者だし、
あたしはずーっと、桃と友達でいたい」
だから桃、悲しい顔しないで