アイドルとわたし
そしてそのまま…
なんて、させるはずがない。
「やめてよ…!」
習ってた合気道が役に立つ日なんてくると思ってなかったけど。
「いてえよ!」
中原くんがあたしの上から降りたと同時にもう一発くらわせて
車から脱出した。
無我夢中で走った。
ヒールでも走れたのは
一刻も早くその場から離れたかったから。
中原くんの車が追って来ていないのを確認して
安心したからかその場に座り込んだ。
力が抜けた。
「怖かった…」
あたしの初デートは散々で
やっぱりあたしには男の人なんか相手にできないんだ。