アイドルとわたし
絶対そう。
あたしが智哉くんを間違える訳がない。
だって14歳のときからずっと
SKYのファンで
宮川智哉に恋をしてきたんだもん。
でも智哉くんは反応しない。
「あの…」
沈黙に耐えきれず声をかける。
「…へぇ」
やっと口を開いた智哉くん。
「キミ、名前は?」
智哉くんだと思われる通行人Aは
自分の身分を言うことなく
あたしの名前を聞いてきた。
「いや、さすがに身分も分からない人に名前教えるほど
あたしもあほじゃないです…」