アイドルとわたし
「へ?」
言っている意味が分からなくて
間抜けな声が出る。
でも、彼は真剣に続ける。
「まずはお友達から。
今日から俺と真央ちゃんは友達。
俺が、真央ちゃんのすべてを受け入れる
3人目の男になるよ」
メガネ越しに合うその目には
迷いも嘘もなにも感じられない。
ただ、ただ、引き込まれる。
これを信じたらあたしはまた
同じ過ちを繰り返すことになるのだろうか。
ううん、でも。
「お友達から、
よろしくお願いします…」
素直に嬉しかったの。
さっき会ったばっかりで
声をかけてくれて
今もこうして親身になって話を聞いてくれることが。