アイドルとわたし
「こうなったら桃は聞かないよ」
楽しそうに笑いやがって。
「でも、相手は今日本で1番売れてる人だよ?
きっと今もお仕事してるし無理だよ。
迷惑なことしたくないもん」
それは、1人のファンとして。
智哉くんの迷惑になることは、
それだけは避けたい。
「そんなのしてみなきゃ分からない!
いーよ、あたしがする!!」
「ちょ!桃!!!」
時すでに遅し。
桃は通話ボタンを押していた。
あぁ、桃さんよ…
「もー、桃!返して!」
桃から電話を取り上げようとしたとき。
「…真央ちゃん?」
「と、智哉くん!?」
「ふふ、どうしたの?電話なんて(笑)」