アイドルとわたし
さすがにセキュリティは充実していて
外から玄関は見えないし
鍵は指紋。
智哉くんとご家族の指紋しか登録してないから、それ以外の人は絶対に開けられないらしい。
やっぱすごいなあ。
「どうぞ」
「あ、お、おじゃまします…!」
「噛みすぎだよ」
扉を開けた瞬間ふわっと香る智哉くんの清潔な香り。
あたし、この人のなにもかも好きだな。
顔も、性格も、香りも、雰囲気も。
「綺麗なお部屋ですね」
「そう?
でも、あんまり帰ってこないから」
帰って来ないっていうか
帰って来られないんだろうな。
今日だって、くまが半端じゃない。