osean's love~改訂版~
プロローグ
此処は国内有数の進学校であり、この県唯一の女子高である。
この学校の名前は東京桜坂四宮学園高等部。
私はこの学校の落ちこぼれ、吉川千夏(よしかわちか)。
ビン底のような分厚い眼鏡に、のっぺらぼうと言って差し支えないパーツの一つ一つが小さい顔、お世辞にも痩せているとは言えない身体。
私がいる、2年2組の担任は鯖野鰯(さばのいわし)。24歳。
生気のない顔が特徴の、明るい系イケメン。
担当教科は生物で、女子になぜか人気。
そして、副担任は熊岸霊烏賊(くまぎしれいか)。22歳。
180cmの身長とがたいのいい体。
見た目の印象通り、この人の担当教科は体育。
さわやかな笑顔の持ち主で、こちらも女子に人気。
最後に、学年主任の浅田珊瑚(あさださんご)。27歳。
熊岸先生よりさらに長身の190cmで、クールな雰囲気とメガネが特徴。
担当教科は古典で、やっぱり女子に人気。
ありえないかもしれないけど、私は今この3人に結婚を迫られている。
本当ありえなさ過ぎてびっくりですよね。
特にやばいのが一緒に住んでいる鰯で、最近は私のふとんに入り込んでくるようになってしまった。
でも、住まわせてもらってる立場だから、入ってくるなとも言えないんだよねぇ。
というのも、私は3年前に起きた交通事故で両親を失い、それからは鰯の親が里親として私を引き取ってくれたからだ。
現在は都内の某マンションで鰯と2人で暮らしている。
学費も生活費も負担してもらっている身分で失礼発言はできないよね。
というわけで私は今もいつも通り、びくびくしながら鰯の授業を受けるのだった。