私的日常記録



「ご注文がお決まりになり次第、お近くの使用人にお声掛けくださいませ。」


「注文はお前だ」


「……かしこまりました。少々お待ち下さいませ。」










「お、お待たせ致しました。わ、私前田(まえだ)と申します。」


「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」


「いや、全然よろしくねぇよ?」


「ははは!流石レミちゃん。」




ははははは。


上流階級な金払わない注文に付き合ってる暇はねぇんだよ。


ピーチさんなんて 御前田(丁寧な前田)で十分だ。


「僕、帰っていいかな?」と涙目で訴えてくる前田君は厨房に還してやる。


前田君が作るシフォンケーキは絶品だと評判になっている。


女子力だな。




「レミちゃんごめんね、この馬鹿が。」


「いえ、光輝様こそ、お疲れのところご来店いただき光栄です。」


「俺もお疲れだぞ?」


「ご注文はお決まりになられましたか?」


「うん。僕は紅茶セットで、馬鹿には枯れ草と水をお願いできるかな?」


「かしこまりました。」




そう。私は確かにかしこまったんだよ。


えぇ、用意しましたよ。枯れ草とワンちゃん用のお皿(用務員室で飼われてる犬用)に入れた水道水を。




「泣いて喜んでいただけるなんて、勿体のうございます。」


「光輝……生徒会長ってなんだろうな?」


「ははは、ただの馬鹿でしょ」


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