私的日常記録
私の家族
「お帰りなさいませ、お嬢様」
文化祭委員2日目。
女子に浴びせられる黄色い声も、昨日1日で慣れたようだ。
これはクラスメイトも同じなようで、昨日よりも落ち着いた雰囲気につつまれる教室。
「スムーズな動作で接客するレミちゃんに惚れ直すよ席に案内されてるあの女の子が羨ましいよ俺もレミちゃんに『お帰りなさいませ』とか言われたいよレミちゃんレミちゃんレミちゃんレミちゃんレミちゃんレミちゃん」
「どんなホラーwww」
教室の一角で残念なイケメンがメイの姿で病んでいる。
サァヤのツッコミが的確だ。
あれは怖い。
「紗綾奥で休んでいろ。俺がお前の分まで運ぶ。」
「私の仕事奪うなし!てかやっぱりメイド似合わないwwww」
「紗綾になら何枚でも写真を撮らせてやる。」
執事になったサァヤは美男子と言うにぴったりで女子にも男子にもモテモテだ。
昨日は私と入れ替わりの午後シフトだったが今日は午前で同じらしい。
サァヤが調子にのり、吉田君がそれに応える。
美男子執事がポーズをとる長身メイドをパシャパシャと撮影するその様子はご主人様方の視線を大いに集め、最早余興のようになっている。
ツッコミだと思っていた吉田君が機能しなくなってからというもの、サァヤは誰にも止められなくなった。
戻ってきてくれ私のオアシス……