私的日常記録
「私荷物番してるから泳いできな」
こういうアウトドアレジャーの時必要になるこの役職は有り難いこと限りない。
動かず、それでいてみんなにお礼言われるんだからおいしい仕事だよね。
サァヤの別荘から5分程歩いたところにあるビーチは、太平洋側の海らしい穏やかな波で、クラゲの心配が少ない7月ということもあってかなり混雑していた。
夏休みなので親子連れも多く、全体的にほんわかとした雰囲気に包まれている。
「俺はレミちゃんと一緒にいるよ!」
「荷物番は二人要らないから、じゃあ飲み物買ってきてくれる?」
「はい、喜んでー!」
松田君は私から役目を与えてあげればそれを元気にこなすから、下手に拒否するより遠回しに近寄らせない方が得策、か。
美しい笑顔に美しいボディーラインを見せつけるサァヤ様は、まぁ流石と言いましょう。
ありゃあナンパが心配だな。
「悪いな、笠原。」
「ん?何が?」
「紗綾がいきなり言い出したから、無理矢理引っ張られて来たろ?それに荷物番まで」
私のオアシス、吉田君らしい言い分だ。
イケメンがションボリしてるとなんか過保護欲そそられる。
頭なでなでして良いかな?
「気にしてないよ。何だかんだ言って私サァヤ大好きだもん」
「……そうか。」
「ふっ、はははっ!焼きもちやかないでよ?私は普通に友愛だから。ほら、モテモテのお嬢様助けに行きな!」
「……お見通し、だな。行ってくる。何かあったら声かけろよ?」
「松田君いるから大丈夫。ほら早く!」
最後にもう一度謝罪と、感謝を述べお姫様のもとへと走って行く王子様いや、ナイト様。