私的日常記録
「2名様、入りまーす!……生きて出てこられると思うなよ?ヒッヒッヒッ」
「「ギャァ~!」」
入り口に立つお姉さんが、素敵な笑顔と明るい声のあとの不気味な声と演出で残念美形二人組をご案内。
自分が駄目なのにどうしてサァヤはお化け屋敷行きたがったか、甚だ不思議だ。
永遠にメリーゴーランドでも乗っとけよ
柵の外から冷やかしてやるから。
「2名様、入りまーす!……生きて出てこられると思うなよ?ヒッヒッヒッ」
「あ、さっきの二人組の連れです」
「チッ、そうでしたか~!逝ってらっしゃいませ~」
舌打ちしたよマジか
あれだけ反応が良かったあとの私たちは確かにつまらないだろうが、舌打ちはアカンよ。
仕事だろ?
お化け屋敷の中は思っていたより本格的で、前を行く団体の声すら聞こえない静けさが暗闇を不気味に仕立てあげる。
ここから出たときのサァヤ達の顔は写メ決定だな。
「なぁ、笠原」
「なに?」
「俺さ、フラレてはねぇんだ。」
「「えっ?」」
「……それでな、」
「いやいやツッコもうよ。」
なんか語りだした吉田君にお化けスタッフもビックリしたらしい。
ハモっちゃったてへぺろ
「紗綾、婚約者いるんだ。」
「あ、続けるんですね」
「だから俺、略奪する。」
「吉田君の思いきりが良い考えと対照的な淡々とした語り口調にどう反応すればいいのか分からない。」