私的日常記録

カナやんが目を丸くして(ねちっこいなと言う風に)見てくる。


ふんっ!自分から言い出したことには責任を取ってもらわないと。




「レミちゃん!俺次のリレー出るよ!」


「でっ?て言う」


「好きな子に応援してもらえたら実力の200倍出せるよ!」


「でっ?て言う」




用件を言わず察してもらおうとする日本人の悪い癖だね。


目的を言いなさいよ。




「くっ……座っているが故に作り出される自然な上目づかいがっ」


「頭が高いぞ頭を下げろ」


「レミちゃんからの命令にゾクゾクします!」


「気持ち悪い!」




ご自慢の長身を屈め校庭に平伏す松田君を見ると実に不愉快だ。


そして私に頭を押さえつけられて顔を染めるとか、もう末期だろう。




「あの、レミちゃん」


「何」


「俺、頑張るからさ。レミちゃんに応援してほしいな~です。」


「…………私が応援するんだったら一位とらなきゃ許さない。」


「もちろん!」




向かい合っている私と顔を緩める松田君の横から「ウッヒョ~wwwこれぞ青春!」とか言いながらパシャパシャとシャッターをきるサァヤ。


君、肖像権と言うものを知っているかね?




「日本国憲法第21条に表現の自由が明記されており、肖像権に関することを法律で明文化したものは存在しませ~ん!ドンマイケルwww」


「サァヤ言い訳完璧かよ」


「モチのロンwww」


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