紙一重
まず人の特長を紹介するのに普通とはなんなんだ!と思うかもしれないが仕方ない。



彼女は何事にも普通なのだ。



ただ普通と言うわけでは無い。



得意なものがあれば苦手なものある、おみくじを引けば大吉も出れば凶もでる。



しかしそれでも彼女は普通だった。



彼女の身に今まで起きた出来事をトータルするとプラスにもマイナスにもならない普通と言う名のゼロにしかならなかった。



彼女自身『普通で良かった』と思えることも『なんで私は普通なんだ!』と思えることも同じ数なのだから苦笑いものである。



「紙一重ね・・・どちらでもない私はどうなるのよ・・・」



読み始めたケータイ小説を見て乾いた笑みが溢れる。



プラスでもないマイナスでもない絶対的な言葉を持たないノーマル。



馬鹿にも天才にもなれない凡人それが彼女であった。
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