小人の世界
脱獄計画
「かい早くしろ!!」
俺は、声のしたほうを見た。そこにはやはり小人がいた。
そう俺たちの世界は、小人に支配されたのだ。

2055年ブラジルに突然現れた小人は、すぐに勢力をあげた。小人は、小さいのにかなりの力があり、1年後には世界のほとんどの国を支配した。
日本もその国のひとつだった。

そんな感じで今は、もともと人間が住んでいた家に小人がすみ、
人間は、牢屋に入れられている。朝6時に小人の世話をやりにいく。
もちろん小人の家に行くときに、逃げたりしたら殺される。世話されるはずの小人が通報して小人にぐちゃぐちゃにされる。

今日も世話を終え牢屋にもどる。
「もう、こんなの嫌だなー」
下を向きながらそんな一人ごとをつぶやいた。
「ハハッ、ならさ僕と脱獄しないか?」
同じ牢屋に入れられている、矢村がそんなことを言い出した。
(脱獄そんなことできるわけがない。)
「本気で、いっているのか?」
「もちろんさ!!もう、脱獄の方法は思いついている」
俺は、バカバカしいと思いながら矢村の方法を聞いてみた。
「これをみろ。」
それは、ドリルだった。
「これは、音が出ないドリルなんだ。僕が行っている家は、こういうのが多い所だからもらってきた」
俺は、口を挟もうとしたが、矢村は手を俺の口もとに持ってきてやめさせた
(まったく、何なんだコイツ。)
「今日の夜のうちにこのドリルで壁に穴をあけ、逃げる。朝に家の小人にばれるだろうが、夜のうちに遠くにいけば大丈夫だ!」
「さすがに無理だろ!すぐに捕まる。現に前朝家に行くとき逃げた奴がいたが
すぐに捕まったじゃないか」
「それは、朝に逃げたから遠くにいく時間が少なかったからだ!」
「それとも、このままでいいのか?」
俺は、黙ってしまった。手を頭に当てながら考えた。
矢村は、ずっとこちらを見ている。
(ちくしょー。でもこいつは、頭がいいかけてみるか)
「よし!やるか!!」
俺は、小人に、支配されていなかったとき以来のやる気がでた!
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