心が聞こえる
 そんな話をしていると、そこに理恵が少し駆け足でやって来た。
 一気に色めき立つ美香と悠。
「――おまたせ」
「随分早かったね。着替えとかは?」
「今日は私服で撮影だったからそのまま……そちらの二人は?」
「紹介するね。俺の友達の白石悠と新庄美香」
『はじめまして』
 ここでも息の合った挨拶をする二人。
「ふふっ、すごい息ピッタリな二人だね」
 理恵に言われて、ちょっと赤面する二人。
「はじめまして。真嶋理恵です――三人は同級生なの?」
「そう。三人とも二十二歳で、悠とは幼馴染でもあるんだ」
「へぇー、それじゃあ私とも同い年なんだー。というか、一つ重要なこと忘れてたんだけど……」
「え? 何?」
 重要なことと言われて、いぶかしげな表情をする一輝。
< 15 / 32 >

この作品をシェア

pagetop