心が聞こえる
「ありがとう。
 理恵ちゃんさえ良ければ、私をお母さんだと思って、いつでも遊びに来てね」
「はい、ありがとうございます。
 今度は妹も連れて来ますね」
 お互いに満面の笑みで言う二人。
「じゃあ、他にも料理あるから沢山食べていってね。
 今日は私がおごっちゃう」
「そんな、悪いですよ」
 驚いた顔をして、両手を振りながら言う理恵。
「良いのよ。理恵ちゃんに会えて、とても嬉しかったし、今日は特別」
「……じゃあ……お言葉に甘えて」
 理恵がそう言うと、満足そうな顔で料理を盛り付けていく亮子。
 すると、それを静かに見ていた一輝が言う。
「なんだか、本当に親子みたいだよね」
「ホントに!? だとしたら、一輝とは兄妹だね」
 冗談まじりに、嬉しそうにはしゃぐ理恵。
「理恵と兄妹って……なんだか大変そう」
 一輝もそれに付き合って苦笑しながらぼやく。
「よろしくねーお兄ちゃん♪」
「はいはい。
 俺の妹なら、もう少しおしとやかになろうねー」
「それってどういう意味!? それじゃ私がガサツみたいじゃない」
 怒ったように頬を膨らませる理恵。
 二人のやりとりを見てクスクスと笑っている亮子。
 そんな冗談を言い合いながら、夜はふけていった。
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