心が聞こえる
 そんな理恵を見て、落ち着かせるかのように、一輝が、
「……俺もさ、小さい頃に乗ったジェットコースターがトラウマで、それ以来ずっと絶叫系乗ってなかったんだ。
 だけど一年くらい前に遊園地来た時に、悠の奴が無理やり俺のこと乗せてさ……
 乗って発車し始める時までは、ものすごく怖くて、イスに座っても目をつぶってたくらいだったんだ。
 それでも、実際乗り終わってみたら、意外と楽しくてさ。
 今じゃ一番大好きな乗り物になっちゃったよ。
 その時思ったんだ。
 子供の頃怖かったものって、大人になってから改めて体験すると、意外と『こんなことが怖かったのか』って笑えることもあるんだなって。
 だから理恵も、今はまだ怖いかもしれないけど、乗ってみたら意外と楽しくて、俺みたいに好きになっちゃうかもよ?」
 と、楽しそうに笑顔で優しく語りかけた。
「そう……だよね……」
 すると、そんな一輝の言葉に励まされたのか、不安顔だった理恵も、少しずつ落ち着きを取り戻していった。
 やがて順番が来て、乗り込む二人。
 そしてゆっくりと、ジェットコースターが動き出し、どんどん上へと進んでいく。
 山のてっぺんに辿り着くと、一気に加速した!
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