俺様オヤジの恩返し
ここから始まる
「あのさ…寝る前に、あんなサプライズメッセージ寄越すなよ…。
気になって眠れなかったんだけど。
それに、なんで駅で気付くんだよ。
理恵子ってちょっと天然だとは思ったけど、実は救いようの無い部類なのか?」


次の日の終業時。
運が良いのか悪いのか同じ時間枠で終業になり、
晩ご飯を食べながら、昨日のLINEを責められている。


「眠れなかった……?ごめんごめん。
あのね、吉岡先生と一緒だったでしょ?
だ、だから…ね?」


「ふふーん……。なるほどね。
理恵子、焼きもち妬いたのか。
私のなのにぃ!って思ったのか。
それで、か。よしよし、いい子だいい子だ」


この歳になって頭を撫でられるとは、ね。


「ちょっと…なんで頭……もぅ。
そういう気持ちはもう10年以上忘れててね、
なんだ、ちゃんと好きなんだって気付いたの」


「なんだか理恵子が素直だな。うん、かわいいかわいい」


「知ってます?あと半年で50なんだけど。
『頭なでなで』も『いい子だいい子だ』も『かわいいかわいい』も、普通に気持ち悪いと思うんだけど」


「50でも60でもかわいい人はかわいいんだ」


「照れる…。でも、
照れ方も忘れたし……。
恋愛って、どうやってするんだった?」


「ぶっ……。とりあえず今晩うち来い」










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