俺様オヤジの恩返し
……と、いうわけで、
私は今夜も将吾の家で、サイフォンで入れたコーヒーを飲んでいる。


いつもと違うのは、ソファに座っている距離が無い、ということ。

言い方を変えると、将吾が私にくっついて離れない。

こんなに広い家の、こんなに広いリビングの、三人掛けのソファで……。


「やっと…。
やっと俺だけが触ることの出来る、俺だけの理恵子になってくれた」


キスが長いなぁ……と思っていたら、捲った裾から入ってきた手がホックをはずして敏感な所を弄り始めた。


「あっ……。将吾?……シャワーくらい浴びようよ」


「後でいいよ。
あ、そうか、洗ってあげるのもいいな」


全裸にされてお風呂へ連れていかれ、隅々まで洗われた。
洗ってあげるサービスは馴れていたけど、男の人にこんな風に優しく洗われたのは初めてだった。
お返しに洗ってあげていると、


「……くっ……はぁ……。
流石だよな……。ちょ…ちょっと待て。
ここで終わったらどうするんだよ。

そうやってると、思い出して嫌な気分にならないか?
何もしなくていいんだぞ?」


「お客さん扱いされてるように思った?
ごめんね、そんな風に思ってない。
相手が違えば…将吾なら、きっと何もかも違うよ」


「……よしベッド行くぞベッド」


ドライヤーくらいは使わせてくれたけど……。


「寝るときに着るもの、何か無い?Tシャツでいいんだけど…」


「そんなもん、今日はもう要らない」


あ、そ、そうですか。
風邪引かないようにしましょうね……。








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