俺様オヤジの恩返し
シンセサイザーの指導は、幼児から社会人まで色々な年代を教えるけれど、

ピアノの指導のほうは、専門的に習いたい人向けではなく、私は初心者を中心に、主に幼児から小学生を楽しく教えている。


それにしてもこんなところでこんな理由で男女差別が起きるとは…。

新しい講師のかたが気の毒だ。


事務局から聞いた話では、今までご自宅で個人レッスンをされていて、
今回、副業として通いの講師をすることにしたそうだ。

40代だそうだけれど、人には事情が色々あるもの。さらっと聞いただけだった。



はっきり言わせていただくと、
保護者の方にとって、主婦の敵である風俗嬢が子供の講師であることのほうが、
教育上よろしくないと思う。
知らぬが仏。


男性だろうが女性だろうが、講師は指導の腕で判断してもらいたいもの。

私はその点、ピアノ上級者には教えられないダメ講師なんだけど…。


だけど、子供に教えることは好きだ。
例え上達がゆっくりでも、本人が教室を辞めたいと言わない限り、音楽を奏でる楽しさを教えたい。


音を楽しむって書くんだ。音楽って。


コンクールに出る子達は、たまにこれを忘れて必死になる。
上手くなりたい、と言う純粋な思いなら、応援を惜しまないけれど……。

教え方が生ぬるい、と言うお叱りを受けたことがあるし、講師を変えられたこともある。
でも、私はここに来るのを楽しみにしてくれて、音楽を奏でることを楽しいと思ってくれるような指導を、ずっとしてきた。

今のシンセのクラスの生徒さんは、全員と言っていいほど音を楽しんでいる。

私のアレンジでは飽き足らず、マシンを自在に操ってさらに音を重ねて作り直す猛者もいる。
本当に自由なクラスだ。


私は、20代から続けているこの仕事が天職だと思っている。









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