ふたり




「そッかぁ―‥、なんか初恋みたい。
アタシの初恋もそんな感じだった‥。」



は‥初恋。


「唯尋の初恋‥?」



「そ―。初恋。あんときはさ-、何処が好きとか、何が好きとか関係なくてさ、
ただただ好きだったな-と思ってさ‥。」



唯尋が何処か切ない、でも大切な物を思い出す様に話した。





「いっこ上の先輩だったんだァ-‥。
その人。初恋の相手。


部活の先輩でさ-、何でもハッキリ言う奴でさ、
しかも超無愛想。笑!



アタシさ-、すっごいイライラしちゃっててさ‥、

ある時言っちゃったの。

"言い方ってもんがあんでしょッ"

ってさ。

それからかなぁ-‥。
良く喋るようになったの。



喋るって言っても、あ-言えばこ-言う。

みたいな感じ♪笑

でも、大切だったんだ‥。
その時間。

楽しかったんだ‥。

その時。

何よりも‥ね?










.
< 10 / 27 >

この作品をシェア

pagetop