恋色デイズ
日本史のノートを机の中に仕舞い、次の授業の教科書を取り出した。
次は…… 現国、か。
現国は、比較的得意な方だ。
愛梨も、現国だけは点数高いんだよね~、って言ってた覚えがある。
「あ、橘。俺さ、教科書忘れたから、ちょっと見してくんね?」
そう言って来たのは、隣の湯島くんだった。
「わかった、いいよ」
「サンキュー」
湯島くんと机をくっ付けて、教科書を真ん中に置いた。
そうしてる間に、現国の先生が入って来て、授業が始まった。
授業中、横をチラッと見ると、湯島くんが真剣な顔付きで、黒板を見て先生の話を聞いていた。
……字、上手いな。
そう思いながらジーっと見ていると、湯島くんは不意にこっちを向いた。