恋色デイズ


ど、う、し、た?


と、口パクで私に聞いて来た。


私は慌てて、首をフルフルと横に振っておいた。


まさか、湯島くんの字の上手さに見惚れてましたなんて、言えないしね。


私も、前を向き直して、先生の話に耳を傾けた。


あれからは、湯島くんとの会話は一切なかった。


それから、4時間目をやり過ごして、やっと昼休み。


この高校は、学食かお弁当のどちらかになっていて、私は、今日はお弁当。


そんな私の所に、愛梨が真っ先にやって来た。


「穂香、今日お弁当?」


「うん」


「なんだぁ、一緒に購買付き合ってって言おうと思ったのに~」


愛梨が落胆したように言った。



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