恋色デイズ


すでに食べ始めている望月くんの横で、私もあたふたとお弁当の袋を開けた。


いつの間にか、ボーッとしてたみたい。


「穂香先輩のお弁当って、いつも可愛いですよね」


クスリと笑う望月くんを見て、私は自分のお弁当をじっと見つめた。


お母さんがいつも気分でやるのかは知らないけど、私のお弁当は、たまにキャラ弁仕様になっている事がある。


少し恥ずかしいけど、折角頑張って作ってくれているんだし、『やめて』とは言えなかった。


「いつも、お弁当は誰が作ってるんですか?」


「…お母さん」


「へえ、すごいですね…」


圧巻されたように、望月くんが呟いた。


確かに、キャラ弁を作れる事自体、とてもすごい事だとは思う。



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