恋色デイズ


「…望月くんと、楽しかった?」


いつも、ニヤニヤしながら愛梨に小声で聞かれるのも、日課になった。


「ま、まぁね……」


曖昧に返事をして、そのまま午後の授業が始まる。


この時間は特に眠いので、ついつい寝てしまう。


うとうととしていると、不意に先生に名指しされるから、要注意だ。


「じゃあこの問題を………橘!」


「は、はいっ」


…ほら、こんな感じにね。


あんまり聞いてなかったから、さっぱりわからない。


で、横でこっそり、湯島くんに答えを教えてもらう事もしばしば。


「…よし、正解。座っていいぞ」


今日も、湯島くんが答えを教えてくれて、助かった。



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