[短篇集]きみが忘れたむらさきへ。




血の筋を煮る劣情が、君に叫ぶ想いが、君に触れたい衝動が、心臓に集束してドクリと重く跳ねる。


消せない愛しさをどうか、持っていって。

君が泣かないように。

君を想う僕の心が、いつも君に寄り添って、君を支えられるように。


君に、二つ目の心臓を。




『また重なり合う日まで、君に預けるよ』

(20160218)


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