甘党バレンタイン
.*・゚放課後.゚・*.




結局、今日はなんも頭に入らなかった。



やっぱり気になる。




拓実には気にせず先に帰れなんて言われたけど、このまま帰れるわけない!






………それに、今日は、ただのバレンタインじゃないんだから……………







ということで、バレないようにトイレで待機なう。




……そろそろいいか………?



廊下からも人気が無くなる。





トイレを出て、そっと教室に近づく。



かすかにだが聞こえる男女の声。





間違いない、拓実と藍沢の声だ。






「なんで……ダメなの………?」




「ど……も…だ」




高い藍沢の声は聞こえるが、低い拓実の声は聞こえない。




「だって、ずっと好きで………好みとかも調べて、誰とも付き合ってないっていうのも知って、今年のバレンタインはチャンスだって思ったのに………」





「つき………る…と……い…………」





だめだ、本当に全然拓実がなんて言ってるか分からない。






「しら……ない。そんなこと……絶対成功すると思ったのに……

ねえ?どう思ってるの?」



くそっ、拓実の言葉がわからないとどういう話の内容かも分からない。





もっと聞こうとドアに寄り添い…







ーーーどんっ





やばい。

やばい。やばい。

やばい。やばい。やばい。




「誰かいるの………?」


そんな藍沢の声にかぶせるように






「好きだよ。」





そんな拓実の声。







え………?







「大好きだ。」








なんで、こんな言葉だけ鮮明に聞こえるんだ。




なんでだよ!




なんで!



なんで!






………なんで、藍沢に好きだなんて言ってるんだよ…………







バレる?そんなこと知るか。


そんな感じでカバンを握り締めその場から走りさった。




足音はかなりしたと思う。
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