狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

かすかな記憶を頼りに

「たしかこっちだったよな…」


シュウはかすかな記憶を頼りに整った街路樹の合間を突き進む。


「…ん?あっちだったか?」


徐々に民家が減っていくにつれてシュウの胸を不安が押し寄せてくる。


「この間…アオイんち見つけたと思ったけど…あれからどうしたんだっけな…」


調理実習で体調不良に陥ったアオイを追いかけたシュウだったが途中で見失ってしまい、気づいた頃にはとっくに日は暮れていて…


(…俺、なんで公園なんかで寝てたんだ?)


彼が思い出せないのも無理はない。

キュリオの魔法によりその後の記憶は消されているからだ。


※本編778Pご参照お願いします。



「時間はまだまだある…日が暮れても探し続けてやるぜ!」


尋常ならぬ運動神経と視力を駆使して地を蹴るシュウは、遥か遠くに佇む人の姿を見つけた。


「…ここらへんの住民か?」


(ちょうどいい!何か聞けるかもしれねぇなっ!)


ラッキー!とばかりにヘヘッと笑いを浮かべたシュウは全く動く気配のない人物を目指して走る。

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