狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
閉ざされた門Ⅱ
「…ごめん。俺は…ある人に会いたくてここに通ってるんだ」
「ふーん…でもこの門閉まってるようにしか見えねぇけど…」
「…そうだね。人の気配が感じられない…出直すことにするよ。君はどうするの?」
「ん?あー…俺はもう少し探してみるぜ!じゃあな!!」
(あ…アオイんち知らねぇか聞きそびれちまった…ま、いっか!)
そう言いながら城の前を通り過ぎて行く少年の背をスカーレットは静かに見送っている。
「お互い…会えるといいな」
(…彼女も学校に通っていたらあの少年くらいの年齢か…)
スカーレットはもう一度城を振り返ると、切なそうに彼女の気配を探して目を細める。
「…お前は礼も言わせてくれないのか?アオイ…」