狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
向けられた言葉と代償Ⅱ
『きゃぁっ』
甘えるように頬を染めてキュリオの胸の中に顔を寄せ、上機嫌な笑い声をあげる。
『ふふっ』
『…お前の興味はまだ花ではなく私に向いているようだね。少し安心したよ』
幸せそうな笑みを浮かべたキュリオは愛しさ余ってアオイの額へ口付を落とす。
『……』
しかしその美しい笑みを打ち消すように彼の眉間へと深い皺が刻まれた。
わずかな痛みに視線を落とすと…そこには削ぎ落し損ねた小さな薔薇の棘がキュリオの指先を傷つけて、真紅の雫を浮かび上がらせている。
『…小さな過ちはある程度目を瞑ろう』
『だが目に余る場合…』
キュリオは妖艶な動作で指先に舌を這わせるとその瞳にあやしい光を湛えながら呟く。
『二度と棘を出せぬよう…強い力で縛りつけてしまうかもしれないね―――』