狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
不足しているもの
「ほぉっほぉっ!それをおっしゃるならキュリオ様も同じですぞ!」
「…?」
今朝よりも少しやつれたガーラントが笑い皺を深めながら銀髪の王を見やる。
「アオイ姫様のためにも御身をご自愛くだされませ」
「……」
少しの沈黙の後、キュリオはふっと笑いながら口を開いた。
「…私が疲れているように見えるかい?」
キュリオはまるで朝の湯浴みを終えた直後のように清らかで、白く陶器のような肌には一点の曇りもない。
それ以前に激務が続こうとも、疲労で王が倒れたなどという話は一度も聞いたことがなく、その体も精神力も人の域を大きく超えているのがわかる。
ただ…キュリオが不足して困るのは休息や食事ではない。
「……」
(こうなる事はわかっていたが…案外堪えるものだな…)