狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

依存Ⅰ

それからのキュリオは軽く湯浴みを済ませ、いつもとは別のクローゼットに手をかけ着替え始めた。


「……」

(この位置からアオイの姿を確認するのが日課になってしまったな…)


思い返せば彼女がこの城にやってきたその日から繰り返される所作がいくつか増えた。

これまでのキュリオの朝は一人きりで始まり、一人きりの夜で終わる。それが五百年以上も王であり続けるキュリオの当たり前だったはずだ。

しかし、人とは簡単なもので…

あれほど変わらないと思った日常も、その存在が大きければ大きいほど変えることは容易かった。

そして…幼いアオイはそのほとんどをキュリオの腕の中で過ごしていたため、キュリオと共に起床しても、その腕の中でよく眠っていたものだ。

赤子だった彼女を城に置いておくのはあまりにも気がかりで、長時間に及ぶ外での公務は出来る限り最小限に留めてきたキュリオだが…



(アオイがある程度成長した今…この気持ちも少しは落ち着くだろうと思っていた私が浅はかだった…)



(やはり離れて過ごすのは慣れないな…)






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