狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

願い



「……」

(私が大きくなったから?だからお父様はもうお部屋に入れて下さらないの…?)


あまりに突然で悲しみに胸が押しつぶされそうだ。

震える両手を胸の前で組みながら父親の部屋の前に立ったアオイ。
その手には何か手紙のようなものが握られている。

扉を見つめても返事がかえってくるわけもなく、アオイは自分の部屋へ戻ろうとトボトボと歩き始めた。


「…お父様のお傍に居られないなら…小さいままがいい…っ…」


自室に戻ったアオイはアレスに貰ったまじないのカードを枕の下に潜めると、強く祈りを込めて目を閉じる。



(…ずっとお父様の腕の中に…)




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