狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~

異変Ⅰ



そして日は昇り…


窓から差し込んだ朝日が少女の目元をくすぐると…
その刺激に目が開き、数回瞬きを繰り返したアオイ。


「……」

(もう…朝……?あれ…わたし……)


「…っ!」

(お父様…っ!お父様は…っ…!?)


上体を起こしたアオイの腹部にかかる温かな腕。いつもより重く感じるそれは間違いなくキュリオのものだった。


(…お父様…)


ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、どこに寝ているのかと思うほど視線がおかしな位置にあることに気づいた。


(私ったらまた寝相…)


モゾモゾと這い上がろうとするも思うように体が動かない。どうあってもキュリオの腕が重すぎるのだ。


(あれ…?力が入らない…)


いよいよ異変に気付いたアオイはキュリオとの間に出来たわずかな隙間を利用して身じろぎする。
すると…


「…ア、オイ?」


刺激を与えられて…ものの数秒もしないうちに、かすれ気味のキュリオの声が頭上から降ってきた。

このあたりは流石キュリオと言える。

彼は眠りながらにして常に愛娘へと神経を集中しているため、このような行動を起こす事が可能なのだ。


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