狂気の王と永遠の愛(接吻)を~イベント編~
無情に過ぎゆく時間Ⅰ
「……」
キュリオは膝に子猫をのせたまま難しい顔で考え事をしている。
「キュリオ様!」
バタバタと数人の家臣が戻ってくるが、皆キュリオの待つ朗報は持ち合わせていなかった。
「…そうか。城にいることは間違いない。私も行こう」
『どうしよう…なんでこんな事に…っ…お父様、私はここですっ!!』
「にゃあっ!!にゃあっ!!にゃあああっ!!!」
子猫は立ち上がろうとするキュリオの胸元によじ登ると、精一杯顔を近づけて鳴き続ける。
「…お前も探してくれるのかい?」
『ち、ちがうんですっ!!私です!アオイです!!』
アオイはあやすように背を撫でられ、ただキュリオの顔を下から見上げるしかない。
こちらを見るキュリオの瞳はとても優しかったが、娘の気配を追う彼の顔に胸が切なく締め付けられる。